36-1

図 代替弾力性の推計対象とした産業数


文献7(2008ESRI)・文献8(阪大DP)と文献10(2008IEW)はEU-KLEMデータを用いた産業数が異なる。即ち、代替弾力性の推計対象となった産業数が異なり、2008IEWの方が1産業分少ない。

阪大DP等の主張によれば、代替弾力性は定量分析に大きな影響を与えるのに従来は代替弾力性が慣習等に基づいて決定され、それが不正確な分析結果を出す原因であった。故に実証的に代替弾力性を正確に推計し、従来よりも正確な分析をすることが阪大DP等の趣旨。

著者によれば分析に必要な産業の代替弾力性を推計したという。

し かし、2008IEWの方が代替弾力性推計値を用いた産業が1産業分少ないにも関わらず、2008IEWも阪大DP・2008ESRIも CGEモデル(分析手法のこと)による定量分析の対象とした産業数や種類は全く同じである。なぜなら2008IEW、阪大DP・2008ESEI の定量分析結果の同一性(従来値の代替弾力性を使った結果)や酷似性(その他の結果)から、これらの分析ではCGEモデルが全く同じ産業から構成されてい ると判断できるからである。

これは2008IEWにおいて、合理的根拠もなく分析に必要な産業の代替弾力性推計値を恣意的に一つ削除し、分析過程を原理的により不正確な結果(虚偽の結果)が出るように意図的に変更して発表したことを意味し、本当にこのような条件で分析を行って発表したならば、意図的な改ざんである。

著 者が阪大DP等で「慣習等ではなく実証的に決めた代替弾力性を使って分析しないと不正確な結果になる」と何度も主張して発表した以上、合理的根拠もなく分析 に必要な産業の代替弾力性推計値を恣意的に一つ削除して分析を行ったら不正確な結果(虚偽の結果)になることをわかっていなかったと主張することはできない。