文献6(13th AIM)、文献8(阪大DP)・文献7(2008ESRI)では分析条件(EU-KLEMデータを用いた期間等)が異なるため、代替弾力性推計値が異なるはずである。これは二酸化炭素排出量分析のための前提条件だが、13th AIM、 阪大DP・ESRI論文では二酸化炭素排出量データが酷似している。従ってデータの使い回しが疑われる。分析条件の違いを認識した上で使いまわした場合は捏造・改ざん。

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図1 二酸化炭素排出量の分析結果
(画像をクリックするとより大きく鮮明な画像になるので、そちらをご覧ください。) - (注)図中の捏造・改ざん故意の場合

また、産業はエネルギー等を消費して生産する。エネルギー消費量に比例して二酸化炭素排出量は増加する。故に生産量に違いがあれば二酸化炭素排出量等にも違いがある。

本件では生産量データは両研究発表で一部異なるのに、生産量の違いが見れる産業(Miningなど)でも二酸化炭素排出量が酷似することは不合理だから、その意味でも二酸化炭素排出量のデータは使い回しが疑われる。

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図2 生産量の分析結果
(画像をクリックするとより大きく鮮明な画像になるので、そちらをご覧ください。)